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画像 ◆秋山直道の災難
 「おつかれー!」

 「じゃ、またなー」

 いつもの部活仲間といつもの場所で交わす挨拶。

 方角の違う僕は、部活の練習で火照った体を、心地よい夜風ですずしみながら一人夜道を歩く。

 −そんなに急いで帰っても、誰もいないしな…

 僕の両親は、今、出張に出ている。
 父親は一人でいいと言っていたにもかかわらず、母親は「直道は一人でも大丈夫よ!」と言って、
画像  父親についていってしまったのである。

 ま、観光目的だとは思うけど…

 初めての一人暮らしで、最初は戸惑ったが、今では結構、堪能している。

 −今日は、夕飯、何を食べようかな・・・
 −昨日は、何食べたっけ?
 −あ、あの番組、録画したっけ?

 ぼんやりと考えながら歩いていた僕の足に、一つの影がのびる。
 そこには、煌々と輝く月を背に、一人の男が立っていた。
 武士のような佇まいを漂わせるその男は、冷たく言い放つ。

 「余の名は謙信。不知火謙信だ」

 「顔を見られてしまった以上仕方がない……己の運命を呪うのだな」

 僕はその男の言葉を聞きながら、自分の置かれた状況を理解した。
 ――殺される――

◆鈴の音とともに…
画像  と、その時――かすかに届く鈴の音と誰かの……悲鳴?……。

 「あ〜れ〜!!」

 満月が輝かしく光り、何かが、僕と男の間めがけて落ちてくる。

 ドコーンッ!!!

 激しい衝撃音、土煙にうっすら浮かぶ人影。
 その人影は、女の子のようだが、その顔には、三枚の般若の面が……。


画像  何がなんだかわからず、立ちすくむ僕の頭の中に、
 知らない女性の声が響き渡る。

 『――天夢ちゃん、天夢ちゃん聞こえるかしら〜』

 『――もしかすると、この方が天夢ちゃんに力を与えてくれる地球人かも知れませんわ』

画像  すると突然、天夢と呼ばれた女の子が僕に近づき

 「さあ、私の手を握ってください」


◆直道の選択
画像  戸惑いながらも、彼女の手を握り締めると……。

 「武装変化(ぶそうへんげ)!!」

 天夢の掛け声と共に、天夢の面が割れて、
 そして僕は………、
 彼女がまとう鎧に変化してしまった


 「瑞雲(ずいうん)呼びて龍が昇るとき、悪を殲滅(せんめつ)いたす。
              夢と希望の使徒、昇龍戦姫☆天夢、只今見参!!」


 天夢は、全宇宙の美しい星を手中に収めようとしている
 不知火軍と戦っている戦姫だったのだ。

 遠き世界からやってきた天夢と共に、平安界に続き地球侵略
 をも企てる悪から、地球を守る戦いが今始まる!


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