「 これは麻人と野外ライブに行った時に
 撮った写真なの!
 正確には撮られちゃったんだけどね〜。
 この写真は物語の重要なシーンにも
 出てくるからよく憶えておいてねっ!」

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[麻人] 「お、その笑顔いただきっ」
     パシャッ。

[あかね]「あっ!」

     俺は携帯のカメラであかねの笑顔を収めた。
     携帯にはあかねのちょっとはにかんだような
     可愛いらしい笑顔が写っていた。

[麻人] 「ふっふっふっ」

[あかね]「撮ったなぁ〜。
      まだ、眼が腫れてるかもしれないのに〜〜〜!」

[麻人] 「え? でも可愛く撮れたよ??」

[あかね]「ダメ!
      ダメダメダメッ!! 撮り直しを要求するぅっ!!」

[麻人] 「ええっ、自然な表情がいいんじゃないか。
      ほら見てみて、いい顔してるよ」

[あかね]「どれどれ〜〜〜?」

[麻人] 「これ、ほら」

     あかねが携帯を覗き込んでくる。
     その時――

[あかね]「ふふふっ、えいっ♪」

     ちゅっ。

[麻人] 「あ……」

     唇に柔らかい感触。
     キス……されたのか?

[あかね]「えへへっ、勝手にチェキしたお返しだよっ☆」

[麻人] 「や、やったなー!」

[あかね]「きゃ〜〜〜♪」

     …………………………。
     ………………。
     ………。