「 お母さんは私がPCで絵の勉強をしてると、
 たまにこういう風に話しかけてくるの。
 ライブチャットだとお母さんの顔も見えちゃう
 から、最初は引っ越した感じがしなかった
 なぁ〜。
 深夜に麻人と話してる時があるみたい
           だけど、一体何を話してるんだろ〜?」

 「 まさか私の悪口じゃないよね〜……?」

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[彩音] 「……おはよう。
      じゃなくて、まだこんばんはかな? 麻人くん」

[麻人] 「えっ……!?」

     にっこり微笑む、あかねのお母さん……
     彩音さんの顔が映し出された。

[麻人] 「あ、あやぽんって……彩音さんだったんですか?」

[彩音] 「そうよ〜♪ びっくりした?」

[麻人] 「え、ええ……。
      それに、なんでこんな時間に?
      というかPC使えたんですね、彩音さん」

[彩音] 「私はちょっと前に起きたところなの。
      パソコンはね〜、お仕事でも使うから
      いつの間にか詳しくなっちゃったのよ」

[麻人] 「お仕事、ですか……?」

     そう言えば、彩音さんがどんな仕事をしてるのか
     聞いたことってなかったな……。

[彩音] 「今はね、カルテとかの患者さんのデータは
      パソコンで管理してるの。
      事務の方でなくても使える看護師さんは
      多いんじゃないかしら……?」

[麻人] 「え?!
      彩音さんって、看護師さんだったんですか?!」

[彩音] 「あら……? 言ったことなかったかしら?」

[麻人] 「ええ、初耳です……。
      そうか、だから……早番か何かですか?」

[彩音] 「そう。たまにしか回ってこないんだけどね」

[麻人] 「それでも、大変ですよね」

[彩音] 「そんなこと無いのよ?
      亜弓やあかねが生まれる前から何年もやってる
      仕事だし、それにもうこの生活に慣れちゃったしね」

[麻人] 「そういうものですか……」