[比奈] 「斗樹亜さん! 斗樹亜……さん……!」
[斗樹亜] 「えっ……」
[斗樹亜] 「ああっ……」
感極まって、堰を切ったように小さく叫びながら、私は斗樹亜さんの胸へと飛び込んでいった。
[斗樹亜] 「比奈ちゃん……ちょ、ちょっと、比奈ちゃんっ……!」
[比奈] 「斗樹亜さん……斗樹亜さんっ……ごめんなさい、でも、でも、私……!」
[比奈] 「私、結婚……結婚したくないんです! 霧斗くんと、結婚したくないんです……!」
[斗樹亜] 「あ、ああ……そう、なのか……そう……なんだね」
[比奈] 「……くっ……」
悲しげにぎゅっと抱き締められて、いけないと思いながらもぎゅっと抱き締め返す。
もう、止められなかった。
お互いの身体が、熱く火照りドキドキと脈打っているのがわかる。
[比奈] 「……斗樹亜……さん……私、迷ってて、結婚、し、したくないって思ったり……どうして……うっ……」
[比奈] 「私、何で、どうしてこんな……あ、あっ、どうして、どうして……あ、あっ……どうし……て……」
[斗樹亜] 「……く……」
もう一度両腕にぎゅうっと力を込めると、斗樹亜さんの手のひらが私をぐっと引き寄せた。
[比奈] 「あっ……」
[比奈] 「んふうっ……あ、あっ……はんっ、んちゅ……はっ、はあっ、はあっ……んふうううっ、
んちゅうっ、あっ……」
[比奈] 「あふっ……んっ……んんんっ……ちゅんっ、んちゅ……あっ、あんっ、あはぁあっ……
ちゅっ、あんっ……」
[比奈] 「と、斗樹亜さんっ……ん、あふうっ、あ、あっ、んちゅ、あっ、ちゅはあっ、あ、あ……はあっ……」
[斗樹亜] 「比奈ちゃん……く、ん……っ……」
唇をふさがれた瞬間、目を見開くほどに驚きながらも、私の方からもぐっと首を伸ばしてしまった。
信じられない。でも、離れることなんてできない。二人して、そのまま倒れ込んでしまいそうなほどに
上半身を傾けながら、きつく抱き合い互いの唇をついばみ合う。
[比奈] 「ん、く、う……んんっ、うちゅっ……ちゅ、はあんっ、あっ、あっ、んんん……ちゅ、うくううっ……」
[比奈] 「あっ、はあ、んっ……ううっ、ちゅ、はあっ、はあ……ん、くうう……ん!
ちゅはっ、はあ、あ、あっ……!」
熱く濡れた舌が、唇を割ってねじ入ってきた。
私も、少しずつ顔を動かしながら舌を絡めていく。
[斗樹亜] 「はあっ、はあ、はあっ……ん、ちゅっ……」
[比奈] 「ちゅっ、はぁ、んんっ……ちゅ、はっ、はあ、はあっ……んんんっ……はうっ……斗樹亜さ……ん……」
[比奈] 「くっ……うんっ……はあ、はぁっ……ちゅ、あんっ……はあ、はあっ……ちゅ、うちゅっ、んんんっ……」
[斗樹亜] 「……く、ううっ……」
抱き締められたまま、ぐっと押さえ込まれていくような感覚があった。