[ルカ]「新川殿……お、重い、何を……わ、わきまえられよっ!」
[ルカ]「私はそうやすやすと空気に流されるような女では! 違うのか、か、からかっているのか」
[ルカ]「私のような女をからかうと、後々、厄介だぞ」
[ルカ]「今なら許すから、あッ……ど、どこを触っている……」
[ルカ]「………………コホン」
[ルカ]「やはり、目覚めぬか。フィオ達が言っていたのはこれだな……」
[ルカ]「何が予防だ、禍星卿。まるで効果などはない」
[ルカ]「まったく……あなたのせいとは言わないが、肝心なところで間が抜けているのだからな」
[ルカ]「私は嬉しかったのだぞ」
[ルカ]「……皆、している……挨拶程度のことだな! キスくらい……」
[ルカ]「私は武人だ、武人たるもの……このくらい」
[ルカ]「す、するぞっ? 貴殿に拒否する権利はないからな……」
[ルカ]「んむ……ッ!」
こう何度も繰り返してたら、何が起きたかなんてすぐわかる。
[ルカ]「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!」
ルカが乙女の顔で、メチャクチャ髪をいじってるし。
[暁]「……ごめん、俺」
[ルカ]「私に与えられた役目のひとつだ! ……気にすることではない」
涙ぐんでるような気がするんだけど……俺、もう罪悪感で潰れそうだよ。
[ルカ]「私のような無骨な女でも、キスはキスのようだな……効果があったようで安心した」
[暁](安心したって顔じゃない……)
[ルカ]「気にするな。き、キスなど……どうということもない」
[暁]「そんなことないよ。ルカは可愛い女の子だし……き、キスはさ、どんな時も特別じゃないか」
[暁]「だから、ごめん……こんな形で」
……あれ? 反応が。
[ルカ]「な、なっ、な、な………!」
真っ赤だ!
[ルカ]「可愛いだの特別だのと! 私をなんだと思っているのだ、そ、そのようなことは父上でも言わんぞ」
[暁]「いや、そりゃお父さんは……」
[ルカ]「言うな! き、貴殿は……すけこまし? すけこましだ!!」
[暁]「すけこまし!?」
[ルカ]「先ほどのキスに特別な意味などなくていい! 私が言いたいのは、そ、そそ、それだけだ!!」